EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。フォースタートアップスのEVANGE運営チームです。私たちが所属するフォースタートアップスでは累計1,200名以上のCXO・経営幹部層の起業や転職のご支援*をはじめとして、多種多様なビジネスパーソンを急成長スタートアップへご支援しています。EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。
「知見と、挑戦をつなぐ」をミッションに掲げ、ビジネスナレッジのマッチングプラットフォームを展開する株式会社ビザスク。2021年11月には米国Coleman Research Group, Inc.を買収し、グローバルにもビジネスを展開。同社の執行役員CFOに2022年1月に就任された小風 守(Mamoru Kokaze)氏のキャリア形成、企業選択の軸に迫ります。
小風 守(Mamoru Kokaze)
2011年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。東京/NYの投資銀行本部にて国内外の金融機関のM&A、資金調達、IRの助言業務に従事。2022年1月より執行役員CFOとしてビザスクに参画、Coleman社買収後の財務戦略立案、IR等に加えてコーポレート機能全般の強化に従事。慶應義塾大学法学部卒業。
目次
ビザスクは「知見と、挑戦をつなぐ」をミッションに掲げ、ビジネス領域特化の日本最大級のアドバイザー数を誇る(*1)ナレッジプラットフォームの運営、新規事業創出/組織開発支援を行っています。
*1 アドバイザー数は49万人超(2022年5月末時点)
主力事業としてはビザスクのデータベースに登録しているアドバイザーとその方の知見を求める企業クライアントを我々が、スポットコンサル(1時間単位のインタビュー)形式でマッチングする『ビザスクinterview』を提供しています。
最近は、知見データベースを活用したサービスの種類も増えています。
BtoB領域のアンケート調査サービス『ビザスクexpert survey』、一定期間実働型で伴走支援する『ビザスクpartner』、24時間以内に5名以上のアドバイザーから専門的なテキスト回答を収集できる 『ビザスクnow』なども展開もしています。
Coleman社の買収によって、アドバイザー網がグローバルに広がりました。日本のお客様でも海外の知見が欲しい方々は多くいらっしゃいますので、Coleman社のネットワークも活用して、現在190ヵ国以上のグローバルな知見を提供できる状況が整いました。
私は執行役員CFOとして、コーポレート機能全体を管掌しています。CFOというと、ファイナンスや資本政策まわりがメインロードではありますが、法務・コンプライアンスを含めたコーポレート機能全般を所管しており、これまでよりも本当に幅広い業務を担っています。
本当に毎日チャレンジです。
ビザスクには上場とM&Aという2つの大きなマイルストーンが終わったあとに入社をしたので、ある意味投資銀行で培ったスキルを直接的に使う機会は少なく、私にとってはすべてが新しい挑戦だと思っています。
まさにです。前職の投資銀行時代では、財務アドバイザーとして主に案件の公表やクロージングまでの支援を中心としており、事業面も含めたPMIには深く関与した経験はありませんでした。法務関連についても前職でリーガル面での検討は弁護士のサポートをいただきながら多少していましたが、それを責任者として私が判断する立場になることは初めての経験で、本当にチャレンジだな。と日々感じています。
実は投資銀行に絞っていたわけではなくて、幅広い業界を見ていました。
そのなかでも私が大事にしていたのは「自分がいかに成長できる環境であるか」でした。せっかく社会に出るからには、自分にストレスをかけて多くのスキルをつけたり、グローバルに挑戦できる土台を付けておきたいと考えていて、その軸に当てはまる企業を探していました。
モルガン・スタンレーのインターンシップに参加した際に、出てくる先輩方のプロフェッショナルな振る舞いに「きっとここならすごい挑戦ができるに違いない」という漠然とした憧れを抱き、関心を持ち始めました。
いくつか投資銀行にもエントリーしていたのですが、最もカルチャーが合っていると感じたモルガン・スタンレーへ入社しました。
最初の頃はただただ辛かったですね。高い目標を立てて入ったものの、それを圧倒する仕事量と求められるスピードとクオリティに食らいついていくことに必死でした。
非常に厳しい環境ではありましたが、上司も理不尽に何かを言ってくるのではなく、論理的に説明してくれますし、私のアウトプットのどこが悪くて、どこが考えが浅いのかを的確に指摘してくれるので、自分が成長している実感を得られやすい環境でもありました。
入社当初は、ただついていくことに必死でしたが、年次を重ねるごとに、バンカーとしての意義を見出せるようにもなっていきました。
若手の頃とシニアになってからでも変わっていきますが、若手の頃はとにかく自分の案件が公表され、日経新聞の一面に載るなど、目に見えやすい社会へのインパクトにやりがいを感じていました。
シニアになってくると、お客様がどういう点で悩んでいるのかを直接的に知るような立場になったので、目の前で苦悩しているお客様を自分がサポートしている責任感が出てきて、案件を達成した時の対外的な派手さよりはお客様から「本当によくやってくれた」とか「大変な時を一緒に乗り越えてくれた」といった具体的なフィードバックを達成感として得られるようになったことが若手の頃とは違ってきた点だと思います。
シニアになってくると海外チームと連携してプロジェクトを進めていくことが多くなってきます。
とあるクロスボーダーの案件で、私がニューヨークオフィスにいた際に一緒に働いたメンバーと案件を担当することになりました。ニューヨークに居た時から信頼関係を築いていたので、私が東京に戻ってからもあうんの呼吸で仕事が出来ました。そういった経験はニューヨークに行かなければ得られなかったと思っています。
実際にお客様が意思決定する時も、日本のバンカーだけではなく、海外のバンカーの知見も交えてご説明することで、お客様の納得度も変わってきますし、モルガン・スタンレーのような外資系の投資銀行に求められている役割であると思っていました。グローバルな知見も併せて意見を取りまとめ、お客様と共に大きな案件を推進できた事は、成長を実感した瞬間でした。
そうですね。若手の頃は海外バンカーの知り合いがいるといっても、お互いが若手だったりしますが、だんだん立場が上がってくると海外バンカーでも意思決定ができる立場になっていたり、特定の業界について詳しい同僚が多くなるので、そういった同僚から現地の生の情報が聞けることは、日本で仕事をする上で強みになって非常によかったと思っています。
まさにグローバルな投資銀行で働いていることを実感できる瞬間でしたね。
私の場合は所属していた金融法人チームがニューヨークの金融法人チームと深い繋がりがあり、上司がかけあって道を開いてくれたこともあり、アソシエイト時代に行かせてもらえたのです。
仕事の進め方では文化の差を感じました。日本では、若手が自分で考えてボトムアップで進めていくことも多い文化だったのですが、アメリカはチームのリーダーが細かいところまで考えてトップダウンで仕事を進めていく傾向がありました。
一方で、M&Aアドバイザリーやファイナンスの骨格となる考え方やスキルはグローバル共通ということも実感できました。
仕事の進め方や言語の壁などハードルはあるものの、日本で若手の頃から地道に業務をしてきた経験があったので、アメリカでもスムーズに仕事を進めることが出来ました。やはりグローバルで通用するスキルを身に付けていれば、言語の壁があったとしても乗り越えられるんだな。という気づきを得られました。
昔から自分が1回選んだことは絶対に歯をくいしばってでも達成してやる。みたいな気質はありました。ニューヨークに行った当初は辛いと思うこともありましたが、「自分が選んだ道だから頑張ろう」と思っていました。周囲の信頼を得たり、業務の内容を理解するための学習期間は、面白さよりもストレスを感じやすいと過去の経験から理解していましたし、そうしたストレスを乗り越えてこそ真の充実感を得られると信じていました。
加えて、自分が取り組むことに意義を見出すことは意識していたかもしれません。
例えば投資銀行は本当にやることが幅広いので、お客様が自分のチームの上司と海外出張に行く時のロジを組むこともよくあります。旅行代理店みたいにスケジュールを組んで、空港の何番出口にハイヤーを手配させて、レストランも手配する。しかも、自分は実際に行かない上司の出張を指示がいつ飛んでくるかわからない状況のなか、24時間体制でサポートします。
ファイナンスとは関係ない業務ですが、未経験なことを想像力を働かせながら、最適解を見つけるトレーニングにはもってこいの業務だと考えています。そのような一見本業とは関係ないような仕事にも意義を見い出すことは自分でも意識していましたし、他の人にはないスキルだったのかもしれません。
シニアメンバーとして様々な案件を担当させていただいたこともあり「そろそろ他の世界を見てみてもいいんじゃないか」という気持ちになれたことがきっかけです。新卒で投資銀行に就職し、10年以上勤め専門性を磨いてきたわけですが、新たな世界に挑戦し、自分を更に成長させたいと思いました。
日々の業務が忙しく、あまり積極的に転職活動をする時間はなかったのですが、持ってきていただく案件がすごく厳選されていて、どれも良い案件だったと記憶しています。こちらが忙しくて対応がなかなか出来ないなかでも、クオリティの高い情報と案件を持ってきてくださったので大変助かりました。
ビザスクという会社自体にすごく可能性を感じたことです。
スタートアップでありながら、大きな海外M&Aができることもそうですし、端羽(ビザスク 代表取締役CEO)や瓜生(ビザスク 取締役グローバルCSO)をはじめ経営陣に優秀な方が多く、この会社に入ればきっといろんなことが勉強できるだろうと思ったこと。また、ビザスク自体もまだまだ成長するだろうなと可能性を感じることができ、ビザスクに飛び込んでこの先の大きな成長を見たいと思えたことが決め手です。
特に入社前に感じていたこととのギャップはなかったのですが、自分が苦労した点は仕事の進め方の違いです。
投資銀行は、ひとつのことを100%のクオリティで仕上げてお客様に提案していくビジネスなのですが、スタートアップの場合は完成度が8割9割でも決断をして、やりながら修正していくことも必要です。そういう判断がなかなかできず、自分のなかでタスクを抱えてしまうこともありました。
自分自身で抱え込むよりも、チームメンバーを頼り、その場でアイデアを議論するという進め方をすると、よりスピーディーに物事が進められることに気づきました。
ビザスクには、多様なバックグラウンドを持った頼りがいあるチームメンバーが揃っているので、自分一人では湧いてこないアイデアも生まれてきます。
CFOとしての大きなミッションは、企業価値の最大化だと考えています。その中でも、上場していることもあり株式価値を上げていくことがCFOの重要なミッションだと考えています。
ただ、会社を経営していくなかで株主だけがステークホルダーではないと、よく言われると思いますが、お客様や我々が接している社会にも価値貢献していて、胸を張れるようなビジネスをしていかないといけないと考えています。
それこそ社会に対して納得いただけるコンプライアンス体制だとか、様々なステークホルダーから見ても、我々のプラットフォームがいいと思ってもらえる企業価値全体の向上を進めていけるようなCFOでありたいと思っています。
私が所管しているチームはファイナンス・法務・コンプライアンス・コーポレートと様々な機能がありますが、それらの機能強化に取り組んでいきたいと考えています。
Coleman社との統合もしていくなかで、事業がすごいスピードで成長していくので、契約の件数は増えていきます。それを単純にこなしているだけだと処理スピードが追い付かず事業部に迷惑をかけてしまう。そういったことがないように、自分たちが常に新しいものを取り入れて、事業成長を後押しする存在にならないといけないと思っています。チーム体制を変えてみるとか、新しいツールを使ってみるなど、積極的に取り組んでいきたいと思います。
挑戦をいとわない人がいいですね。
ビザスク自体が今回の海外企業買収のように大胆な挑戦をする会社なので、そういった会社で仲間として入っていただいて、いままで経験したことがないことも楽しみながら取り組んでいただける人はとても魅力に感じます。
私が担当しているファイナンスチームにおいても、他のスタートアップ企業では経験が難しい挑戦に日々メンバー全員で対峙しています。スタートアップでありながら非常に規模の大きい海外子会社を抱えている会社であるため、各分野において高度な知見が求められます。
このような環境で挑戦したい、グローバルで通用するスキルを身に着けたい、と思う方は是非仲間に加わっていただきたいと思っております。
Director : Koki Azuma / Creative Director : Munechika Ishibashi / Writer&Editor : Koki Azuma / PR : Megumi Miyamoto / Photographer : Takumi Yano